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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮頸癌
医療従事者における子宮頸がん検診受診率とHPVワクチンに関する意識調査


大丸 貴子1), 今野 良1), 根津 幸穂1), 山川 洋光1), 伊藤 雄二1), 鈴木 光明2)
自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科1), 自治医科大学産婦人科2)


 【はじめに】日本の子宮頸がん検診受診率は約24%であり,欧米が80%以上であるのと比較して非常に低い.その背景には若年者の検診受診率が特に低いことや,一般市民の子宮頸癌に対する知識不足がある.そこで,医療従事者における子宮頸がん検診率とHPVワクチン導入前の動向について調査を行った.【対象と方法】2008年6月に医療従事者向けの子宮頸がん検診に関する講義を行った.この講義の出席者を対象として,アンケート調査を行った.【結果】174人の出席者のうち回答が得られた154人であった.子宮頸がん検診の定期受診者は11.3%であった.年代別では20歳代で4.7%,30歳代で17.3%,40歳代で50.0%,50代以上で25.0%であった.受診しない理由は「時間がない」が最も多く,次いで「婦人科に行きたくない」「周囲が受けていない」「費用がかかる」であった.また検診に関する情報不足,子宮頸癌に関する知識不足が示唆された.HPVワクチンについては自分が受けたい人は65.0%であった.ただし,接種費用が1万円なら62.5%が希望するのに対し,5万円なら20.3%の希望に留まった.【まとめ】医療従事者であっても子宮頸がん検診受診率は低く,検診に関する情報を持っていなかった.またHPV予防ワクチンの有効性が理解できても,実際に接種することには躊躇がみられ,必要性の理解や費用の設定が接種率に影響することがわかった.今後,検診受診率向上のためには,まず医療従事者に対する教育や啓発を行うことが必要であり,ワクチンの接種には公費助成が重要なポイントである.“Educate the educators."


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 277-277, 2008


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