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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
子宮頸癌 維持透析中患者にTC療法を施行した子宮頸部腺癌再発の症例
田坂 暢崇, 水口 剛雄, 野口 里枝, 人見 義郎, 中尾 砂理, 岡田 智志, 松本 光司, 佐藤 豊実, 沖 明典, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科
【緒言】今回我々は維持透析中の子宮頸部腺癌再発に対し,パクリタキセル・カルボプラチン併用療法(TC療法)が奏効した一例を経験したので報告する.【症例】55歳,3経妊1経産,閉経51歳.33歳時,2型糖尿病を発症.52歳時,糖尿病性腎症にて透析導入.2005年12月子宮頸癌疑いにて当科紹介.6cm大の子宮頸部腫瘤を認め,punch biopsyにてadenocarcinoma, endocervical type,CA125は1398U/mlであった.頸部腺癌IIb期と診断,透析導入中のため放射線治療の方針とし,2006年1月より全骨盤・傍大動脈領域に外照射61.2Gy,RALS 6Gy×4回を施行.MRI上complete responseとなり,CA125は17U/ml前後で推移した.2007年5月頃よりCA125が漸増し787.9U/mlまで上昇,腹腔内再発を認めたためTC療法を開始.2008年3月1コース目を施行(PTX:175mg/m2=300mg/body,CBDCA:tAUC=5,GFR=0より125mg/body,投与終了1時間後から透析).CBDCAの実測AUCは1.29mg・min/mlと低値であった.3コース目よりCBDCAを150mg/bodyとし現在まで6コースを施行,CA125は63.7U/mlまで低下した.【結語】近年透析患者に対するTC療法の報告が散見され,本症例でも同様のプロトコールにて施行したが,CBDCA血中濃度は予想より低値を示した.透析患者のCBDCA血中動態は予測が難しく,モニタリングが重要と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
278-278, 2008
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