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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
子宮体癌 Clostridium perfringensの感染により子宮穿孔から敗血症性ショックを生じた子宮体癌の1例
島田 博美, 倉品 隆平, 柿栖 睦実, 立山 尚子, 西田 直子, 深見 武彦, 松島 隆, 土居 大祐, 可世木 久幸, 朝倉 啓文
日本医科大学武蔵小杉病院産婦人科
【はじめに】子宮穿孔を来す婦人科疾患としては子宮留膿腫,悪性腫瘍,消化管の炎症の波及などがあるが比較的稀である.今回Clostridium perfringensの感染による子宮穿孔から敗血症性ショック,多臓器不全を呈した子宮体癌の1例を経験したので報告する.【症例】46歳0経妊0経産.3日前から腹痛が出現.近医から市販の鎮痛剤内服で様子をみるように指示されたが,症状増悪し自制不可となり血尿も出現し,当院救急外来を受診となった.意識清明,血圧127/37mmHg,脈拍81/分,体温38.4℃,腹部は全体的に圧痛と反跳痛,筋性防御著明であった.内診では悪臭を伴う血性腟分泌物を認め,圧痛のため子宮・付属器は触知困難であった.血液検査にてWBC 26680/μl,CRP 10.8mg/dlと炎症反応を認め,LDH 8775IU/L,T-Bil 5.47mg/dlと上昇していた.腹部CTにて子宮は10cm大に腫大し,子宮周囲,肝周囲にfree airを認めたため,消化器外科にコンサルトし,下部消化管穿孔の疑いにて緊急手術を施行した.腸管は正常で,子宮底に穿孔部位を認め,子宮筋層が壊死しており,これによる腹膜炎と診断し単純子宮全摘術,両側付属器切除術を施行した.腹水,子宮内容からClostridium perfringensが検出された.病理では類内膜腺癌G3,FIGO 3c期の診断となった.術後急性腎不全,敗血症性ショックのためICU入室.25日目に抜管,37日目一般病棟へ転出した.81日目よりTC療法施行し現在経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
278-278, 2008
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