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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮体癌
診断・治療に苦慮した子宮内膜癌1c期の一症例


飯塚 真, 浜田 佳伸, 林 雅綾, 山本 篤, 吉野 富貴子, 安藤 昌守, 榎本 英夫, 坂本 秀一, 林 雅敏
獨協医科大学越谷病院産婦人科


 子宮内膜細胞診は偽陰性率が約20%であるが,検査を繰り返したり,画像診断を使用することで2年以内に90%以上の正診率となるとの報告がある.今回,我々は子宮内膜細胞診・組織診が共に陰性で,対応に苦慮した子宮内膜癌症例を経験した.症例:59歳.妊娠,分娩歴:1経産1経妊.閉経54歳.既往歴:特記すべきことなし.現病歴:人間ドックでCA19-9が115U/mlにて当院消化器内科を紹介受診した.消化管,肝,胆,膵に異常所見を認めず,CA125も120U/mlであったため,当科紹介となった.不正出血は認めなかったが,子宮口から白色の分泌物を認め,経膣超音波検査で子宮内膜の肥厚所見を認め,下腹MRIで内膜の軽度肥厚所見及び子宮底部の筋層内に不均一な低信号域を認めた.子宮内膜癌の可能性を考え,子宮内膜細胞診,子宮内膜全面掻爬を行ったが,細胞診はclass 2,内膜組織診も悪性所見を認めなかった.帯下が続くため,定期的にフォローしたが,CA19-9,CA125は高値であり,子宮内膜細胞診を繰り返すもclass2であった.当科初診6ヶ月後,PET-CT検査を施行したところ,子宮底部に集積を認めた.本人にインフォームド・コンセントを得た上で,腹式単純子宮全摘術・両側附属器切除術を施行した.PET-CTで集積を認めた子宮底部に1/2以上の筋層浸潤のendometrioid adenocarcinoma, G1を認めた.術後,CA19-9, CA125は正常値まで低下した.次いで傍大動脈・骨盤リンパ節郭清術を施行したが,リンパ節転移は認めなかった.子宮内膜癌1c期であり,現在化学療法(AP療法)を施行中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 279-279, 2008


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