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<< 学会誌へ戻る 【緒言】子宮体部明細胞腺癌は内膜癌の約5％で類内膜癌に比して予後不良な腫瘍である．今回，非常に稀な子宮腺筋症由来と考えられた子宮体部明細胞腺癌を経験したので報告する．【症例】73歳女性，3経妊3経産，閉経は55歳．微熱と体重減少を主訴に近医受診し，CT上子宮体部腫瘍を認め前医に紹介受診となる．子宮内膜細胞診および生検でも異常認めなかったがCA125が1285.0U/mlと高値にて子宮体部悪性腫瘍強く疑われ当院紹介初診となる．当院での検査所見は，子宮膣部，内膜細胞診（classI,II）で子宮内膜生検では少数の異型腺管を認めた．MRI,CTでは子宮体部に約7cmの造影効果を示す不均一な腫瘍と骨盤内から傍大動脈周囲リンパ節および左鎖骨下リンパ節の腫大を認めた．また，PET-CTでも同様の所見であった．以上の所見より子宮体癌，子宮肉腫などを鑑別に考え，単純子宮全摘出術および両側付属器切除を施行した．摘出病理所見は肉眼上，腫瘍は子宮体部前壁を中心に，7cm大の白色充実性腫瘍で子宮筋層を中心に増殖し，子宮内膜は平滑で肉眼上明らかな腫瘍成分はみられなかった．組織上，腫瘍は明細胞腺癌から構成され主に子宮筋層を中心に発育増殖しており子宮内膜にみられる明細胞腺癌成分はわずかであった．また，子宮筋層には子宮腺筋症の所見と，さらに明細胞腺癌と子宮腺筋症の移行像と考えられる所見を認めた．以上より子宮腺筋症由来の子宮体部明細胞腺癌，FIGO stage IVbと診断．術後，TCを3クールおよび骨盤内照射（40Gy）を施行したが，PDにて現在外来緩和治療中である．免疫組織学的検査と若干的文献を加え報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 279-279, 2008 |
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