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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍1 直腸癌子宮転移の一例
中島 邦宣1), 小林 重光1), 内野 麻美子1), 田中 邦治1), 三沢 昭彦1), 斎藤 元章1), 安田 允2), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)
消化管原発悪性腫瘍が,子宮転移を来たした報告は少ない.今回我々は直腸癌子宮転移の一例を経験したので報告する.症例は64歳,既往歴に32歳時卵巣癌にて右付属器摘出術および術後放射線療法あり.数日前より不正性器出血あり,当科受診.超音波検査にて骨盤内に嚢胞様腫瘤認めたため,MRI施行したところ,卵巣に異常を認めず,子宮留水腫を認めた.子宮内腔のドレナージ行い細胞診提出したところ細胞はみられず,判定不能であった.同時に腫瘍マーカーCA19-9上昇を認めたため,PET/CT施行するも異常所見無く,腹部超音波検査でも肝臓,胆嚢,膵臓に異常所見を認めないため,経過観察とした.4ヵ月後さらにCA19-9の上昇があり,子宮内腔の液体貯留を再度認めたため,ドレナージ行い細胞診提出したところClassIIIであった.子宮内容除去術施行したところ,病理組織検査にて腺癌を認めた.また同時期に行った下部消化管内視鏡検査で直腸癌を認めたため,手術(単純子宮全摘術,左付属器摘出術,腹会陰式直腸切断術,ストーマ造設術)を施行した.術後病理組織検査にて,直腸癌の子宮体部転移病変を認めた.術後,FOLFIRI療法(塩酸イリノテカン,フルオロウラシル,レボフォリナートカルシウム)を行い,現在経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
285-285, 2008
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