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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍2
急性腹症で発症し診断に至った卵管癌の一例


山地 亜希, 上杉 健哲, 田中 圭, 杉田 達哉, 小幡 新太郎, 中野 紀子
成田赤十字病院産婦人科


 卵管癌は婦人科悪性腫瘍の中でも比較的稀な腫瘍であり,初期には症状をきたしにくく特徴的な臨床所見に乏しいため術前診断が困難であり進行期に発見されることが多い.今回我々は急性腹症を発症し診断に至った卵管癌の一例を経験したので文献的考察を含め報告する.【症例】51歳女性4G3P 2007年3月下旬より右下腹部痛が出現.近医内科受診したが異常を認めず,経過観察となっていた.2007年4月3日夜,突然右下腹部痛増悪し,4月4日朝方救急車にて当院内科救急外来受診となる.CT上,骨盤内のmassおよび上腹部まで達する腹水の貯留の診断にて婦人科コンサルトとなる.経膣超音波上腹腔内出血,右卵巣付近に10cm×6cm大のmassを認めたため,卵巣出血に伴う腹腔内出血の疑いにて同日緊急開腹手術となる.(術中所見)腹腔内多量の出血を吸引したところ,右卵管破裂の所見.大網にも手拳大のmass,腸管,腹腔内にも多数の播種を認めた.術中迅速病理にて卵管癌の診断.ATH+BSO+OMTを施行した.術後経過良好のため術後17日目に退院となる.術後7日目の造影CTにて肝臓表面横隔膜に接する腹膜に直径3cmほどの腹膜転移をみとめ卵管癌stageIIIcの診断となり,術後化学療法としてTC6クール施行した.その後再発兆候なく現在外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 287-287, 2008


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