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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
有茎性漿膜下筋腫の茎捻転が原因と考えられた子宮捻転の一例


曽根 君恵, 椙田 賢司, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学板橋病院産婦人科


 子宮捻転とは,子宮長軸を軸に子宮が45度以上捻転した状態をいう.原因は子宮筋腫,子宮形態異常,骨盤内癒着,妊娠子宮における胎児の胎位異常などがある.主症状は腹痛だが,軽度のものからショックを伴う重度のものまで様々である.他に特徴的症状はなく,ほとんどが開腹時に診断される.我々は,卵巣癌を疑い開腹したところ有茎性漿膜下筋腫の捻転が原因と考えられた子宮捻転を経験したので報告する.患者は75歳.主訴は腹部膨満,軽度の腹痛,下痢,嘔吐であり,骨盤CTで骨盤内腫瘤を認めたため入院した.MRIでは20×18×14cm大の腫瘤が前屈した子宮の後壁に接するように位置し,内部は多房性であった.腫瘤の可動性は良好で腫瘍マーカーは基準値内であったが,弛張熱やMRIの所見から卵巣癌を疑った.入院8日目に開腹したところ,子宮底部の有茎性漿膜下筋腫が反時計回りに360度捻転し,それに伴い子宮体部・右付属器も子宮長軸を軸として反時計回りに180度捻転し,暗紫色に変色していた.腹式単純子宮全摘術・両側付属器切除術を施行し,術後経過良好のため術後5日目に軽快退院した.病理組織診断では,捻転していた子宮体部と右付属器は充血・うっ血を伴い壊死に陥っていた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 291-291, 2008


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