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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
良性腫瘍
外陰部に発生した巨大angiomyofibroblastoma(血管筋線維芽細胞腫)の1例


高島 明子1), 石田 洋昭1), 斉藤 麻由美1), 安田 豊1), 川島 秀明1), 斉藤 智博1), 深谷 暁1), 矢野 ともね1), 山澤 功二1), 木下 俊彦1), 蛭田 浩之2), 亀田 典章2)
東邦大学医学部附属佐倉病院産婦人科1), 東邦大学医学部附属佐倉病院病理2)


 (緒言)Angiomyofibroblastoma(以下AMFと略す)は1992年にFletcherらによってAggressive angiomyxoma(以下AA)からAMFを分離して一つの腫瘍形態として定義された,外陰部に好発する良性の腫瘍である.その多くは5cmとされているが,今回直径20cm,重量3kgの巨大AMFを経験したので報告する.(症例)53歳,1経妊1経産,月経周期順.3年前から外陰部に腫瘤を触知していたが放置していた.徐々に増大し,腫瘍より滲出液の漏出を認め,外来受診となった.右大陰唇より発生する小児頭大の腫瘍を認めた.MRIでは厚い被膜様構造を有し,T2WIでhighとlowのmix patternを呈するhypervasucularな腫瘍を認めた.腫瘍マーカー,血清LDHは正常範囲であった.腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は境界明瞭でhypervascularな腫瘍であり,術中出血は2272mlに及んだ.肉眼的には割面は充実性,境界明瞭で一部に粘液豊富な産生を示す領域が混在していた.組織学的には大小結節性に細胞密度の高い領域が混在しており,間質の毛細血管や薄壁性の小血管が豊富で,間質細胞は多角形〜短紡錘形を示し核分裂像は認めなかった.免疫組織学的にはVimentine,Desmin,Bcl-2,MIC-II(CD99),ER,PgRが陽性を示し,cytokeratin,α-smooth muscle actin,muscle actin,S100,CD34は陰性であった.(考察)AMFの鑑別診断としてepithelioid leiomyoma,AA,solitary fibrous tumor leiomyosarcomaが挙げられ,腫瘍境界の浸潤性や間質細胞の密度,免疫組織学的所見を総合して鑑別される.文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 295-295, 2008


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