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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
臍帯,静脈血栓
臍帯巻絡の正期骨盤位経腟分娩における影響(正期骨盤位経腟分娩235例の臨床成績より)


前田 光士, 平野 孝幸, 宮岸 玲子, 幸本 康雄
東京都保健医療公社荏原病院産婦人科


 【目的】頭位の臍帯巻絡が難産の原因となる臍帯難産の概念が提示されて久しくないが骨盤位ではまだ検討されていないので骨盤位経腟分娩での臍帯巻絡の影響につき調査した.【方法】1997年2月1日より2005年7月30日迄の正期骨盤位で経腟分娩をした235例につき臍帯巻絡数0回の151例をa群,1回の61例をb群,2回の20例をc群,3回の3例をd群として母体年齢,分娩時妊娠週数,出生児体重,アップガースコアーの1分と5分,臍帯動脈血のpHとBEの7項目につき比較検討して出生時の状態につき調査した.有意差検定は分散分析(Fishers plsd)テストにより実施した.【成績】1母体年齢,2分娩時週数,3出生時体重,4アップガースコアー1分,5アップガースコアー5分,6臍帯動脈血pH,臍帯動脈血BEの平均値と標準誤差はa群1:30.2±4.39,2:39.2±1.14,3:3031.1±426.4,4:9±1,5:9±0.3,6:7.3±0.1,7:−5.3±3.8,b群1:31.3±4.6,2:39.5±1.13,3:3057.5±353.9,4:9±0,5:9±0.2,6:7.29±0.1,7:−5.5±3.4,c群1:30.2±3.9,2:39±1.1,3:2934.3±369.6,4:9±1,5:9±0.2,6:7.3±0.1,7:−4.6±4.78,d群1:32.3±0.5,2:38.7±1.53,3:3028.3±443.7,4:9±0,5:9±0,6:7.29±0.1,7:−12±4.68であった.有意差はBEでa群対d群,b群対d群,c群対d群で認めた.【結論】新生児アシド−シスの診断はBryann RichardsonによればBE−10.3,pH<7.13であるが臍帯巻絡3回の3症例は各々のpHは7.24以上であったがBEは−6.3,−13.0,−15.0であったので他の臍帯巻絡2回以下の群と比較して項目BEの箇所のみが有意差を以て低かったが新生児アシドーシスにはなっていないので臍帯難産までには至らなかったと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 299-299, 2008


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