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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
胎盤
骨盤MRIで癒着胎盤と診断された2症例の検討


高橋 恵理佳, 里見 操緒, 稲川 智子, 峯 克也, 桑原 慶充, 三浦 敦, 石川 源, 澤 倫太郎, 米山 剛一, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


 前置胎盤に合併する癒着胎盤症例では帝王切開術施行時に大量出血が予想され,子宮全摘術を余儀なくされることが多い.このため術前の可及的に正確な診断が必要である.現在では超音波断層法,超音波カラードプラ法を用いてsonolucent zoneの消失,placenta lacunaeの出現,bladder lineの途絶などの所見から癒着胎盤を診断する方法が主に用いられている.他方,MRIは超音波検査と同様,侵襲が少なく妊娠中にも比較的安全に施行できる検査方法であるが,癒着胎盤の評価については超音波検査に勝る有用性が確立されていない.今回,患者同意の上で施行した骨盤MRIで癒着胎盤と診断された2例について,診断精度等の検討を行った.【症例1】27歳1回経妊1回経産,骨盤位にて帝王切開の既往あり.前置胎盤の診断で妊娠35週2日当院へ母体搬送となった.骨盤MRIでは子宮後壁の一部に子宮筋層の菲薄化,不整を認め,癒着胎盤の可能性を指摘されていた.妊娠37週0日に予定帝王切開を施行した.子宮下部横切開にて2598gの男児を娩出後,胎盤剥離できず子宮摘出となった.術後病理診断でplacenta incretaと診断された.【症例2】30歳1回経妊1回経産.妊娠27週2日に前置胎盤の診断で他院より当科紹介となった.骨盤MRIで子宮下部に遷延濃染を示す脱落膜を指摘できず,癒着胎盤の可能性を指摘された.妊娠35週3日警告出血を認め緊急帝王切開術を施行した.子宮下部横切開にて2448gの男児を娩出後,胎盤の癒着はなく容易に胎盤娩出に至った.この2例について,超音波所見,MRI所見などを後方視的に検証し,文献的考察を含めて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 301-301, 2008


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