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<< 学会誌へ戻る 胎児完全房室ブロックは1万〜2万出生に対して1例と極めて稀な疾患であり，そのうち約30％は完全大血管転移や多脾症などの心構造異常を伴う．心構造異常を伴わない場合には母体の膠原病，特にSLEやSjogren症候群との関連が知られている．母体は抗SSA/Ro抗体・抗SSB/La抗体を有することが多く，これらが胎盤を介して児に移行することで，児に完全房室ブロックが発症すると考えられている．今回我々は，無症状の抗SSA/Ro抗体陽性母体の児に胎児完全房室ブロックをみとめた症例を経験した．症例は21歳，未経産であり妊娠30週まで異常を指摘されていなかった．妊娠31週の妊婦健診時に胎児完全房室ブロックを指摘され，周産期管理目的に当院に転院となった．胎児心拍数の上昇を目的に塩酸リトドリン，抗原抗体反応の抑制及び心筋炎の予防を目的にデキサメタゾンをそれぞれ母体に投与した．これにより胎児は心拍数の上昇を得て心不全徴候無く経過し，妊娠38週0日に帝王切開にて分娩となった．女児・2761g・Apgar score（1/5）7点/8点．児は出生後イソプレテレノール投与にて心拍数上昇がみられ，日齢18日で退院となった．症例報告と合わせて文献的考察を加えて報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 304-304, 2008 |
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