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<< 学会誌へ戻る 胎児期に発生する消化管疾患は合併奇形を認めなければ予後の良い疾患といえる．しかし，羊水過多に伴う母体切迫早産の管理，分娩方式の決定や小児外科との連携など，管理に苦慮する点も多い．最近，経験した胎児消化管閉塞の2症例を報告する．症例1：30歳．妊娠，分娩歴：1経妊1経産．既往歴：特記すべきことなし．現病歴：近医にて管理されていたが，妊娠32週頃より羊水量増多，胎児エコーでdouble bubble sign様所見を認め，妊娠35週で当科紹介受診となった．AFI：46，胎児腹部にdouble bubble signを認め，また定期的な子宮収縮を認めたため，入院管理とした．MRIや頻回の超音波検査を行うも，他の合併奇形は認めなかった．インフォームド・コンセントの上で妊娠36週3日で帝王切開術を施行した．羊水量は4900mlで胎児は2545g，A/Sは10（1分）10（5分）であった．同日，児は開腹手術を受け，輪状膵に伴う十二指腸閉鎖であった．症例2：38歳．妊娠，分娩歴：1経妊1経産．既往歴：特記すべきことなし．現病歴：近医にて管理されていたが，妊娠31週頃より胎児エコーで消化管拡張所見を認め，妊娠32週で当科紹介受診となった．AFI：32，胎児腹部に小腸と思われる腸管の著明な拡張像を認めた．受診翌日，切迫早産となり，入院管理とした．MRIや頻回の超音波検査を行うも，他の合併奇形は認めなかった．インフォームド・コンセントの上で妊娠35週6日で帝王切開術を施行した．羊水量は2800mlで胎児は3256g，A/Sは8（1分）9（5分）であった．同日，児は開腹手術を受け，回腸肛門側に2箇所の閉塞のある小腸閉塞であった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 309-309, 2008 |
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