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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
胎児3 胎児四肢短縮を認め,出生後Brachmann-de Lange症候群と診断した一例
田野島 美城1), 納田 容子1), 北山 玲子1), 水島 大一1), 葛西 路1), 中島 祐子1), 岡本 真知1), 三原 卓志1), 小川 幸1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学附属病院産婦人科2)
Brachmann-de Lange症候群(Cornelia de Lange症候群)は特徴的顔貌,四肢の奇形,内臓奇形,精神遅滞,出生前から発育遅延を伴う奇形症候群である.今回妊娠中に四肢短縮,IUGRを認めた一例を経験したので報告する.症例は33歳.1回経妊1回経産.自然妊娠.妊娠初期から当センターの妊婦健診に通院していた.妊娠23週にFL32mm(−2.03SD)と短縮を認め,妊娠28週の胎児超音波でBPD67mm(−0.94SD),FL40.5mm(−3.03SD),EFW847g(−2.04SD)のIUGR,短頭,前腕の描出困難,他の長管骨の短縮,裂足様の所見も認めた.FL/AC比は0.20で,胸郭低形成はなく,何らかの骨系統疾患を疑ったが,致死的なものは考えにくいと判断し,出生前のMRIや全身骨レントゲン,染色体検査などは施行せず,生後精査していくこととして経過観察していた.経過中IUGRであったが発育も認め,well beingは良好であった.妊娠37週2日陣痛発来し.既往帝王切開,骨盤位妊娠であったため,同日緊急帝王切開術を施行した.児は1614g(SFD児)男児,Apgar score 4点/8点,UApH 7.225であった.児は自発呼吸が弱く挿管しNICU入院となった.新生児所見は濃く中央で癒合した眉,カールした長い睫毛,低い鼻根,長い人中,細く端の下がった薄い口唇,小顎,耳介低位,上腕〜上背部にかけて多毛,外性器低形成,停留精巣,前腕両側尺骨欠損,手単指,足合趾・裂足といった外表奇形を認め,Brachmann-de Lange症候群と診断した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
309-309, 2008
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