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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
優秀演題 周産期 妊娠中に白血球除去療法を施行した潰瘍性大腸炎合併妊娠の3例
樋口 紗恵子, 後藤 美希, 曾根 献文, 手塚 真紀, 佐藤 香央里, 坂巻 健, 小林 浩一
社会保険中央総合病院産婦人科
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)は大腸の粘膜を侵しびらんや潰瘍を形成するびまん性非特異性炎症性疾患である.薬物治療としてはステロイドや5-ASAが使用される.白血球除去療法(Cetntrifugal Leukocytapheresis:CFLA)は活性化した白血球を除去し,浄化された血液を体内にもどす体外循環療法であり,UCの活動期における緩解促進に用いられる.CFLAでは一時的に血液が体外に失われるため,妊娠中は母体および胎児の循環動態に変化が生じる可能性がある.今回我々は妊娠中にCFLAを行った3例を経験したので報告する.【症例1】34歳でUC発症.36歳よりCFLA開始.4週おきに継続し,37歳 UC活動期に妊娠.妊娠27週までCFLAを継続した.妊娠36週4日経膣分娩.男児2552g Apgar Score(1分)9点【症例2】20歳でUC発症.27歳よりCFLA開始.4週間おきに継続し,病状安定していた.31歳で妊娠し,妊娠34週までCFLA継続.妊娠39週0日 骨盤位のため帝王切開.男児2556g Apgar Score(1分)8点【症例3】16歳でUC発症.18歳時よりCFLA施行し,4週おきに継続し,病状安定していた.23歳 妊娠13週より悪阻とともにUCの病状悪化し,2週間おきにCFLA施行.妊娠20週まで有害事象みられず継続している.以上3例は妊娠中,特に有害事象なくCFLAを継続し,うち2例は出産に至っている.CFLAはUCの治療として妊娠中も比較的安全といえる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
147-147, 2009
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