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<< 学会誌へ戻る 周知の如く，癒着胎盤は大量出血が必発であり，母体死亡のリスクの高い疾患である．しかし，早期発見が困難であり，ひとたび発症すると大量出血，大量輸血とその対応に苦慮するところである．そもそも，癒着胎盤は2000から4000分娩に1例と稀な疾患であり，統計学的に十分に検証可能な対処法が確立する可能性は少ない．そのため，現在患者の安全性を高めるために，それぞれの医療施設が自施設での経験を元に対策が採られている．今回，我々は，妊娠初期から妊娠経過を管理し，癒着胎盤を疑わせる所見もなかった患者が，切迫早産で入院中に陣痛発来．前回帝王切開のため緊急帝王切開施行となり，手術時に癒着胎盤を認め，子宮腟上部切断術を施行した症例を経験した．そこで，癒着胎盤の疫学，診断方法，治療方法，取り扱い方法等などこれまで当科にて経験した癒着胎盤時の経験も含めて報告する．症例は，32歳の1経産婦で，前回は胎児ジストレスのため帝王切開となった．今回，妊娠28週で性器出血，腹部緊満出現し切迫早産の診断で安静加療目的にて入院．妊娠32週で，陣痛発来し緊急帝王切開施行．帝王切開時，胎盤剥離不可能で癒着胎盤の診断で子宮腟上部切断術施行．術後経過順調のため術後10日目に退院となる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 148-148, 2009 |
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