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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
優秀演題 周産期 細菌性膣症(BV)診断:試料採取部位と固定法についての統一基準作成に関する検討
荻野 満春1), 箕浦 茂樹1), 飯野 孝一2)
国立国際医療センター・戸山病院産婦人科1), 医療法人・飯野病院産婦人科2)
【緒言】BV診断のgold standardであるNugent score(NS)は,簡便である反面細菌の多様性を反映できない等の弱点が指摘されている.他方,2007年新規カテゴリー(MC)による早産リスク評価が報告された.本研究では「日本早産予防研究会(岡井・斎藤合同班)」で主たる早産発症要因の解析項目であるNS・MC評価に係る試料採取部位と固定法について統一基準作成を目的とした.【対象・方法】対象は妊娠12〜20週の妊産婦25例(「説明と同意」は平成16年「臨床研究に関する倫理指針」に準拠).(1)採取試料(5例):子宮頚管膣分泌物(CVS)と膣腔内貯留分泌物(pool sample:PS)(2)固定法:固定液95%エタノールと無水メタノール(主たる対象各10例)の各々両者間で比較検討した.【結果・考察】(1)BV-like評価で両者間に差異はなかったが,PSよりCVSが優れていたのは―a.採取時の量的な安定性 b.細胞の重層回避 c.Grade I-PMNの好中球浸潤評価の優位性(2)固定法は両者間で優劣はなかったが,産業廃棄物取扱の観点及び95%エタノールの汎用性等から現実的選択と言える.NS・MC評価:NC陽性3例(15%),MCではGrade I(35%),Grade I-like(5%),Grade I-PMN(30%),BV-like(30%)であった.NSよりMCの方が臨床背景をよく反映しており,また原著と比べGrade I-PMNとBV-likeが高率と差を認めたことから本邦独自の調査研究の必要性が強く示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
149-149, 2009
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