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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症
腹腔鏡下子宮筋腫核出術における適応と限界についての後方視的検討


内出 一郎, 中熊 正仁, 前村 俊満, 土屋 雄彦, 林 秀隆, 吉田 義弘, 玉置 優子, 豊泉 孝夫, 森田 峰人
東邦大学医療センター大森病院産婦人科


 【目的】腹腔鏡下子宮筋腫核出術(LM)を安全かつ確実に施行するためには様々な手術操作の創意工夫や高い技術水準が必要であり,核出筋腫核の大きさ,数などにより手術の難易度は大きく変化する.今回,当科で行ってきたLMにおいて,手術を困難にする因子について検討した.【方法】筋腫核径,核出筋腫核数と手術時間,出血量の関係について1996年より2008年8月までに施行した997症例を対象に後方視的検討を行った.【成績】筋腫核径6.5±2.0cm,手術時間105.1±35.8分,出血量97.8±105.8ml,筋腫核数2.3±2.2個であった.これらの年次推移に於いては,筋腫核径,手術時間,出血量の平均値についてはほぼ変化がなかったが,筋腫核数は近年顕著に増加していた.手術時間が平均値の2倍を超えた症例では,筋腫核径は7.8±2.3cm,核出数は5.1±2.2個であり,出血量が2倍を超えた症例では,筋腫核径が7.9±1.9cm,筋腫核数は3.2±4.0個と増加し,特に手術時間延長における筋腫核数の増加が顕著であった.【結論】年次推移で最も顕著に増加したのは核出筋腫核数であったが,平均手術時間,出血量の増加を認めないことから,運針・縫合技術の大幅な向上が図られているものと考えられた.手術時間,出血量ともに手術の難易度を判定する因子であり,これらを増加させる因子は筋腫核径と筋腫核数であることが明らかとなった.LMを安全かつ効率的に施行するためには,筋腫核径が大きい症例,核出筋腫核数が多数ある症例では,術者の技量や施設能力に応じて術式を慎重に選択する必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 150-150, 2009


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