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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症
腸管切除を必要とした腸管子宮内膜症の一例


三留 ゆりさ, 千島 史尚, 中澤 禎子, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科(板橋病院)


 【緒言】子宮内膜症は子宮内膜組織が子宮以外に認められる病態の総称であり,代表的発生部位として腹膜,卵巣,ダグラス窩が挙げられる.異所性子宮内膜症はこれら3つを除く内膜症の総称をいい代表的発生部位としては腸管子宮内膜症,尿路系子宮内膜症,月経随伴性気胸,腹壁子宮内膜症が知られている.今回我々は異所性子宮内膜症の代表的発生部位である腸管子宮内膜症の一例を経験したので報告する.【症例】症例は35歳女性,0回経妊0回経産 月経困難症,左下腹部痛を主訴に32歳時に近医を受診した.子宮内膜症の診断にて34歳時より6ヵ月間Gn-RH agonist(酢酸ナファレリン)にて治療していた.投薬中は症状軽快したが投薬中止後症状再燃し,月経周期と同期しない下腹痛,排便時痛の増悪認められるようになり,精査・加療目的にて35歳時,当院紹介受診となった.当院にて精査し,腸管子宮内膜症を疑い,左卵巣子宮内膜症,子宮腺筋症の診断にて手術となった.開腹時肉眼的診断は腸管子宮内膜症,右副卵巣嚢腫,子宮腺筋症,子宮筋腫であり,腸管子宮内膜症切除術,人工肛門造設術(以上消化器外科による),子宮腺筋症病巣切除術,右卵巣部分切除術,右副卵巣嚢腫摘出術,子宮後壁癒着部部分生検,癒着剥離術を施行した.術後Gn-RH agonist(リュープロレリン酢酸塩)投与開始とし,経過観察中である.【考察】腸管内膜症は産婦人科,消化器外科との横断的かつ総合的な判断が必要であり比較的稀な疾患ではあるが,子宮内膜症の増加に伴い今後経験する可能性のある疾患であり,患者のQOLに直接関わるため注意を要する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 151-151, 2009


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