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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
良性腫瘍 当科における外科的治療を要した骨盤腹膜炎の検討
永井 富裕子, 吉田 幸洋, 野島 美知夫, 田嶋 敦, 阿部 礼子, 田口 雄史, 楠木 総司
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科
<緒言>骨盤内炎症性疾患は一般診療で女性の急性腹症として遭遇することが多い.一般に抗菌剤を投与するが,難治性が多く,しばしば外科的治療を要す.今回我々は過去5年間に当院で外科的治療を要した骨盤腹膜炎32症例の検討を行った.<対象と方法>2004年1月から2008年12月までの5年間に当院で外科的治療を要した32症例.年齢は20〜63歳(平均36.8歳).<結果>発症から入院までの期間は平均8.58日,入院から手術までの期間は平均3.47日,入院期間は平均11.0日,術式は片側付属器切除11例,片側卵管切除1例,片側付属器切除+片側卵管切除1例,片側付属器切除+片側卵巣嚢腫摘出3例,両側付属器切除1例,腹式単純子宮全摘出+両側付属器切除5例,両側卵巣嚢腫摘出3例,両側卵管切除+両側卵巣嚢腫摘出1例,卵巣部分切除2例,腸管部分切除3例,膿瘍切開排膿ドレナージのみ3例,腟上部切断術+片側付属器切除1例,虫垂切除1例,時間は平均88分,出血量は平均283gであった.術後診断はtubo-ovarial abscess 18例,endometrial cyst 10例,卵管炎2例,appendicitis 2例,S状結腸憩室炎1例だった.基礎疾患があったものは,子宮内膜症性嚢胞12例,子宮筋腫1例,子宮腺筋症1例,IUD挿入中1例であった.発症の誘因は,EMスメア4例,AIH 1例,HSG 1例,C/S 1例などが認められた.月経周期の6日以内に発症したのは9例であった.起因菌が同定できた主なものでは,Escherichia. Coli. 5例,Staphylococcus aureus(MSSA)2例,Staphylococcus epidermidis(CNS)2例であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
153-153, 2009
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