関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
優秀演題 腫瘍
腹式広汎性子宮頸部摘出術(abdominal radical trachelectomy)後,自然妊娠し正期産児を得た1例


岸見 有紗1), 市川 義一1), 根本 泰子1), 服部 政博1), 小林 佑介2), 阪埜 浩司2), 藤井 多久磨2), 青木 大輔2), 吉村 泰典2)
静岡赤十字病院産婦人科1), 慶應義塾大学医学部産婦人科2)


 【緒言】子宮頸癌発症年齢の若年化に伴い,早期浸潤癌に対しても根治性と同時に妊孕性温存が求められ,腹式広汎性子宮頸部摘出術(abdominal radical trachelectomy,以下A-RT)が選択肢の1つとして期待されている.しかし,A-RT後妊娠例においては流早産のリスクが高く,これまで国内からA-RT後に正期産児を得た報告はない.今回我々はA-RT施行後妊娠例に対し,頸管閉鎖術(予防的な子宮頸管部腟粘膜閉鎖術)を行うことで正期産児を得た1例を経験した.【症例】27歳,0回経妊0回経産.子宮頸癌Ib1期に対しA-RTを施行し,術中には縫合糸による頸管縫縮術を施行した.術後1年で自然妊娠が成立し,妊娠13週に頸管閉鎖術を施行,妊娠18週より塩酸リトドリン内服を開始した.妊娠21週の時点で子宮口は腟粘膜にて閉鎖,子宮頸管長23.8mm,児の発育も週数相当で安定していたため外来管理を継続した.妊娠28週4日に子宮の不規則収縮を認め,頸管長が15.5mmと短縮したため以後入院管理となった.塩酸リトドリン点滴投与,安静にて速やかに妊娠状態は安定し,その後は通常のtocholysisのみにて有意な切迫症状は認められなかった.妊娠37週1日に選択的帝王切開術にて女児2598g(APGAR score 1分値8点,5分値9点)を娩出,手術時に頸管閉鎖縫合糸を抜糸,子宮頸管拡張を行った.産褥経過は良好で,術後8日目に母児ともに退院となった.術後7ヶ月(A-RT後2年7ヶ月)にて再発は認められていない.【結語】A-RT後に自然妊娠し,予防的子宮頸管閉鎖術および適切な切迫早産管理を行うことで正期産児を得た症例を経験した.A-RT術式にて自然妊娠から正期産までの妊孕能を温存しうる可能性が示された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 155-155, 2009


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会