優秀演題　不妊・内分泌・その他　OHVIRA症候群とWunderlich症候群

　関東連合産科婦人科学会会誌オンラインジャーナル

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第117回学術集会（平成21年6月14日（日））

【一般演題】
優秀演題　不妊・内分泌・その他
OHVIRA症候群とWunderlich症候群

阿部　裕子^1）, 平泉　良枝^1）, 高屋　茜^1）, 朝倉　禎史^1）, 山田　隆^1）, 五十嵐　健治^1）, 渡辺　美千明^1）, 鴨井　青龍^1）, 竹下　俊行^2）
日本医科大学千葉北総病院産婦人科^1）, 日本医科大学付属病院産婦人科^2）

　子宮奇形のなかでも重複子宮，片側腟閉鎖，同側腎欠損を合併したものをOHVIRA（Obstructed hemivagina and ipsilateral renal anomary）症候群，子宮が盲端に終わり子宮留血腫が頸部嚢胞を来すものをWunderlich症候群と言い，稀な疾患である．特にWunderlich症候群は本邦ではわずかしか報告がない．初経が発来すると経血流出はあるため，腹腔内腫瘤を形成後に下腹部痛で気づかれることが多く，発見が遅れやすい．また思春期に発見されるため診察・治療が困難なことが多い．今回我々の経験した4例のOHVIRA症候群と1例のWunderlich症候群をまとめて発表する．OHVIRA症候群の1症例は14歳，不正出血と下腹部痛を主訴に受診し重複子宮と骨盤内腫瘤を指摘された．MRI，CT上，重複子宮，片側腟閉鎖，同側腎欠損が判明し腟中隔切徐術を施行した．腟中隔の病理所見にて重層扁平上皮のみが認められ，OHVIRA症候群と診断した．また別の症例は19歳，下腹部痛を主訴に他院で卵巣嚢腫茎捻転疑いと診断され紹介．画像上重複子宮，片側子宮頸部閉鎖，同側腎欠損が判明し腟中隔切徐術を施行した．腟中隔の病理所見は円柱上皮であり，Wunderlich症候群と診断した．Wunderlich症候群の症例は，その後3回妊娠し2人の生児を得た．1人目は他院であったが2人目は当院で周産期管理を行い，患側子宮で妊娠を確認し37週の予定帝王切開日まで問題なく経過した．3回目の妊娠も患側子宮であり，本人希望で人工中絶を行った．

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 166-166, 2009

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