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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
卵巣癌1
当院の平成17年から5年間における10 kg以上の卵巣腫瘍の3症例


友部 淳子, 市川 剛, 椙田 賢司, 村瀬 隆之, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科


 巨大卵巣腫瘍は最近ではまれではあるが,手術により循環・呼吸動態の急激な変化が起こるため,厳重な術中・術後管理が必要となる.特に急激な静脈還流及び肺血流の増加や肺の再膨張による血管透過性亢進により再膨張性肺水腫を発症することが多い.
 今回,我々は平成17年から5年間において10kg以上の卵巣腫瘍を3例経験したので報告する.
 一例目,71歳,腹部膨隆感を主訴に受診.術中ドレナージを7.5lを施行し,単純子宮全摘出,両側付属器切除を行った.摘出腫瘍は2.7kg(計10.2kg)であった.術後5日目退院した.術後診断は右卵巣腫瘍(粘液性腫瘍,境界悪性)であった.
 二例目,34歳,腹部膨隆感,体動時呼吸困難を主訴に受診.術前ドレナージを7日間で25.7l穿刺吸引した後,右付属器切除,肝生検を行った.摘出腫瘍の重量は6.4kg(計32.1kg)であった.術後,救命センターで全身管理を行い,術後2日目,抜管し一般病棟に移棟した.術後20日目より急変,術後34日目にDICを発症し,術後44日目に癌死した.術後診断は卵巣癌4期,肝転移であった.
 三例目,37歳,腹部膨隆感,不正性器出血を主訴に受診.術中ドレナージを19.8lを30分で施行し,左付属器切除を行った.摘出腫瘍は7kg(計26.8kg)であった.術後,抜管し,ICUで全身管理を行った.再膨張性肺水腫を認めたが,術後2日目,一般病棟に移棟した.術後6日目退院した.術後診断は左卵巣癌1a期(粘液性嚢胞性腺癌)であった.
 巨大腹腔内腫瘍摘出後は再膨張性肺水腫も念頭に置き,経時的な循環動態把握を中心とした全身管理が必要であると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 176-176, 2009


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