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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
卵巣癌1
卵巣腫瘍との鑑別に苦慮した虫垂原発粘液嚢胞腺癌の一例


江崎 悠久美, 篠原 佳枝, 渡邊 征雄, 五十嵐 稔枝, 鈴木 純一, 秋山 邦久
都立広尾病院産婦人科


 虫垂原発の腫瘍は多種多様にありその発生は稀ではないが,解剖学的位置から右付属器腫瘍との鑑別が困難となることが多い.今回我々は画像上では卵巣嚢腫または虫垂粘液腫の疑いで開腹となったが,術中所見では腹膜偽粘液腫の所見であり,原発巣検索のためATH+BSO及び虫垂切除術を行なった.
 しかし,最終病理学的に虫垂粘液嚢胞腺癌と診断された一例を経験したため,これを報告する.
 症例:71歳 2経妊2経産 45歳閉経
 40歳時虫垂炎手術行なうも,癒着により摘出不可の既往があった.
 9月より右下腹部痛出現,10月内科受診し精査目的に入院.
 CT上虫垂粘液腫,腹膜偽粘液腫破裂,両側卵巣嚢腫を指摘され,外科及び当科コンサルト.外科方針では遺残盲腸由来の粘液腫を疑われ経過観察,当科では卵巣皮様嚢腫に対し手術的治療の方針にて,外科との合同手術を行なった.
 術中腹腔内にゼリー状物質貯留認め,迅速診断で偽粘液腫を疑われた.卵巣原発の偽粘液腫を疑い,腹式単純子宮全摘術+両側付属器切除術+虫垂切除術を施行.左卵巣皮様嚢腫及び漿液性嚢胞の病理学的診断が下され外科転科となった.
 今後は外科にて化学療法施行予定されている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 177-177, 2009


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