|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
卵巣癌2 高Ca血症合併に対し人工透析を併用し化学療法が継続できた卵巣明細胞腺癌3c期の一例
香山 哲徳, 喜多 恒和, 杉崎 聡一, 清水 泰樹, 松本 泰弘, 宮崎 泰人, 本池 良行, 鎌田 英男, 末永 昭彦, 竹下 茂樹, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学医学部産婦人科
【緒言】卵巣明細胞腺癌の進行例では,PTHrP産生による高Ca血症を伴い,腎機能低下により化学療法に難渋することが多い.われわれは初回化学療法抵抗性の明細胞腺癌の高Ca血症に対し人工透析を併用し,化学療法を継続できた症例を経験したので報告する.【症例】56歳.便秘と腹部膨隆にて初診.腹水や腹腔内播種を伴う径20cmの卵巣悪性腫瘍と診断.手術では腹腔内播種が著明で完全摘出不能のため,右付属器摘出と大網部分切除に終わった.病理診断はpT3cの卵巣明細胞腺癌であった.術後CPT-P療法2サイクル施行し,CA125は減少したがSDと判定.PTHrP陽性の高Ca血症に伴う腎機能低下が出現.エルシトニン投与と人工透析を導入し高Ca血症は軽減.腎機能温存目的でweeklyTC療法に変更し3サイクル施行したが,CA125は再上昇し,播種巣の増大も認めPDと判定.現在治療法変更を検討中である.【まとめ】卵巣明細胞腺癌に合併する高Ca血症に対し人工透析の併用は,化学療法の継続に有効であった.しかしCPT-P療法およびTC療法は奏効せず,有効なレジメンの確立が必要である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
180-180, 2009
|