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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
卵巣癌2 進行期卵巣粘液性腺癌の複数回の再発に対しTC療法やCPT-P療法が奏効した一例
本池 良行, 喜多 恒和, 宮崎 泰人, 松本 泰弘, 清水 泰樹, 杉崎 聡一, 鎌田 英男, 末永 昭彦, 竹下 茂樹, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学医学部産婦人科
【緒言】卵巣粘液性腺癌は化学療法抵抗性で,CAP療法やTC療法への奏効率は10%程度と考えられている.われわれは本卵巣癌の複数回の再発に対し,TC療法やCPT-P療法が有効であった一例を経験したので報告する.【症例】37歳.子宮筋腫の経過観察中に卵巣腫瘍を指摘され紹介にて初診.卵巣悪性腫瘍を疑い開腹.T3cにてTAH/BSO/PN/PAN/OMおよび回腸切除と直腸低位前方切除を施行し,残存腫瘍径は5mm以下となった.術後TC療法6サイクル施行.治療後13ヶ月後,CA125は555 IU/mlへ上昇し腹腔内再発したため,再度TC療法6サイクル施行.cCRと判定したが8ヶ月後に2回目の再発.再再度TC療法2サイクル施行し,CA125は60 IU/mlまで低下するも患者の希望で治療中断.さらに3ヶ月後,CA125は459 IU/mlへ再上昇し3回目の再発.DP療法に変更し6サイクル行いCA125は一時低下するも再上昇し,PDと判定.その2ヶ月後からCPT-P療法を3サイクル行い,CA125は800 IU/mlから200 IU/mlまで低下し,腹水貯留も著明に改善した.【まとめ】卵巣粘液性腺癌の複数回の再発においても,TC療法やCPT-P療法が有効で,延命効果が期待できる場合があると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
180-180, 2009
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