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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍,その他1
当初膀胱原発腫瘍と考えたが,再検討により子宮内膜間質肉腫と診断した1例


重城 真智, 中村 泰昭, 落合 尚美, 中川 圭介, 矢部 慎一郎, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科


 子宮内膜間質肉腫(endometrial stromal sarcoma:ESS)は子宮肉腫の1割程度と非常にまれな疾患であり,標準的治療法は確立していない.さらに病理組織学的に良悪性の診断に苦慮する事例がしばしば存在し診断・治療には困難が伴う.今回我々は,当初膀胱原発腫瘍と考えたが,標本の再検討により子宮内膜間質肉腫と診断し治療した1例を経験したので報告する.症例は53歳.2G2P.子宮筋腫の診断で前医にて約10年断続的にGnRH アナログを使用されていた.今回,左そけい部痛を主訴に前医受診,膀胱腫瘍の疑いで当院泌尿器科を受診,膀胱腫瘍精査となった.腫瘍は膀胱左側内腔4cmにわたり突出しており,原発巣精査にて当科紹介となった.内診上,子宮は年齢相当で子宮左側側壁に5cm大の腫瘍を認め,MRI上はT2強調画像で充実性・不均一な高信号を認め子宮腺筋症が疑われた.子宮頚部細胞診:class1,子宮内膜細胞診:class1と異常なく子宮内膜組織診でも当初子宮内膜過形成疑いであったが,その後の膀胱腫瘍生検にてESS所見あり,子宮内膜組織診を再検討した結果ESS所見が得られた.子宮内膜間質肉腫膀胱浸潤(4期)であり,下大静脈に広範囲に腫瘍血栓が疑われたためfilter留置ののち化学療法を施行した.今回の臨床経過に診断・治療の文献考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 182-182, 2009


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