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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
胎児異常4 臍帯など
虫垂炎発症後に胎児水腫をきたした一例


葛西 路1), 竹島 和美1), 水島 大一1), 中島 祐子1), 長瀬 寛美1), 三原 卓志1), 田野島 美城1), 村瀬 真理子1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子センター1), 横浜市立大学産婦人科2)


 妊娠27週で虫垂炎を発症し胎児水腫を合併した症例を経験したので報告する.症例は2経妊2経産.妊娠初期より前医で妊婦健診を受診,妊娠27週時に切迫早産の診断で前医入院.塩酸リトドリンによるtocolysisを開始したが腹痛は持続,入院翌日胎児水腫が出現し当院へ母体搬送となった.到着時,子宮収縮に伴った腹痛の訴えあり.腹壁軟,子宮圧痛なし.EFBW:833g(AFD),胎児腹水と著明な皮下浮腫を認めた.CTAR:45.9%と心拡大を認め,心室壁運動性不良であった.NSTはreassuring patternであった.リトドリンの増量により腹痛は一度軽減したが翌日強い腹痛出現し虫垂炎と診断され,同日外科転科し開腹,虫垂炎,汎発性腹膜炎の状態であり虫垂切除術を施行した.術後2週間で徐々に胎児心機能,胎児水腫は改善し,腹痛消失し退院した.TORCH,抗SS-A抗体は陰性,羊水染色体検査:正常核型であった.32週で胎動減少を主訴に受診.再び心拡大,心室壁運動性不良,胎児腹水が出現,NSTにてNRFSと判断し緊急帝王切開を施行した.児は1456g,light-for-dates,Apgar score 5/5(1分/5分)UmApH:7.346 RDSのため挿管しNICUに入室したが心不全のため2生日新生児死亡となった.エコー上は心筋炎や心筋症が疑われた.また児の頭部には多数のcysticPVLを認めた.病理解剖は行わなかった.胎盤病理では広範に絨毛周囲にフィブリン析出,梗塞(+),CAM(−)であった.以上の経過より,当初は胎内感染や心筋症による胎児水腫を疑っていたが,母体虫垂炎による循環不全から広範な絨毛の梗塞が生じ,母児循環が阻害され児が低酸素状態に曝されたため胎児水腫をきたしたと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 193-193, 2009


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