|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
その他 周産期管理など 周産期領域への電子カルテ導入について
司馬 正浩, 木戸 浩一郎, 堀 晋一郎, 梅澤 幸一, 本池 良行, 松本 幸代, 田口 彰則, 町田 亮太, 宮崎 泰人, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学医学部産婦人科
電子カルテは,真正性・見読性・保存性を有するが,その導入に際しては紙カルテでは診療記録かどうか曖昧になっていた部分について明らかにすることが要求される場合がある.今回我々は電子カルテ導入にともなって診療記録を全面的に見直すなかで問題となった胎児・新生児の取り扱いについて検討した.【目的】電子カルテ導入により業務を効率的かつ正確に行い,臨床水準を向上させることを目的とした.【方法】胎児・新生児の取り扱い,周産期登録との連携について,電子カルテ導入前の方法を見直す一方,複数の電子カルテシステムを比較検討した.【結果】電子カルテシステムにおける胎児の取り扱いについては母体の附属物として取り扱うやり方と胎児を独立させて取り扱うやり方(胎児ID導入)とに分かれていた.今回は電子カルテ上の仕様ならびに法的な胎児の位置づけを考慮した結果,胎児IDの導入には至らなかった.周産期登録については日産婦周産期登録の登録項目と電子カルテの項目とを調査しDWHシステムを利用して患者情報を保護しながら,半ば自動的に登録情報を抽出するように設計した.【考察】胎児・新生児については,一定の妊娠週数以降は胎児IDの取得を促すとか,あるいは新生児になった時点で,母体からの情報の転記(他人のカルテからの情報の転記)を許容するなど電子カルテ上の取り扱いについて一定の基準が必要と思われた.情報登録については患者情報保護を確保しながら,各施設からの情報の登録が円滑にすすむように電子カルテを設計することが必要と思われた.電子カルテと登録の連携については施設認定基準に盛り込むことも含めて学会・行政の協力が望ましいと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
196-196, 2009
|