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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠1 卵管切除後の同側卵管妊娠をきたした自然妊娠の2例
石田 洋昭, 齋藤 麻由美, 安田 豊, 高島 明子, 川島 秀明, 齋藤 智博, 深谷 暁, 矢野 ともね, 山澤 功二, 木下 俊彦
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科
症例1:34歳,未経妊.前医で右卵管溜水腫の診断を受け不妊治療の一環として腹腔鏡下に同卵管を切除した.その5ヵ月後に自然妊娠したが妊娠6週で子宮外妊娠を疑われ当院へ紹介となった.超音波検査において子宮内には胎嚢がみられないが,左右の付属器周辺には明らかな子宮外妊娠を示唆する所見もなかった.試験的に子宮内容除去術を施行したが子宮外妊娠の診断で腹腔鏡下手術を行った.術中所見;右卵管は切除後であったが,右卵管間質部に腫瘤がみられた.術中同部位が破綻し出血し,さらに他に異所性妊娠部位を疑わせる所見がなかったことから右卵管間質部の診断で間質部を切除した.術後の病理組織学的検査で切除部位に妊娠成分を認めた.症例2:35歳7経妊3経産.1年前に左卵管妊娠で腹腔鏡下に卵管切除術を施行,3ヶ月後の子宮卵管造影検査で右卵管の通過性が確認された.その後自然妊娠したが妊娠6週で子宮内に胎嚢が確認されなかった.試験的に子宮内容除去術を施行したが絨毛組織はみられず,その後子宮外妊娠の診断で腹腔鏡下手術を行った.術中所見;左卵管の峡部以遠は切除後であったが,左卵管峡部に腫瘤を認めた.左卵管峡部妊娠と診断し同部を切除した.術後の病理組織学的検査で切除部位に妊娠成分を認めた.いずれも盲端に終わっている残存卵管に妊娠しており,受精卵の内遊走が成因であったと推察される.卵管切除後の自然妊娠でもまれに切除側と同側の残存卵管に妊娠することがあるので診察時には注意を払う必要がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
199-199, 2009
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