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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠2
子宮外妊娠の病理的早期診断


有澤 正義1), 山田 美貴2), 赤股 宣子2), 河村 美鈴2), 榊原 咲弥子2), 砂倉 麻央2), 岩田 みさ子2), 湯原 均2), 阿部 史朗2), 宮澤 豊2)
都立大塚病院病理1), 都立大塚病院産婦人科2)


 子宮外妊娠とは,受精卵が子宮体部以外に着床することをいい,その診断には緊急性を要する.子宮外妊娠を否定するには子宮内に絨毛組織,胎児成分を確認することが必要であると記されている.病理組織で絨毛組織,胎児成分のいずれも認められない場合,子宮内妊娠か子宮外妊娠かの判断が難しい.妊娠の病理所見として,内膜のアリアスーステラサインやtrophoblastのmigrationが知られている.アリアスーサインはHCGによる内膜の変化であり,必ずしも妊娠を意味する訳ではない.一方,子宮内膜にtrophablastが確認できれば子宮内妊娠であることがほぼ確実である.子宮外妊娠のとき,我々は子宮外妊娠と流産との鑑別が臨床的にも病理的にも困難であった9例について報告する.6例については,絨毛や胎児成分が認められなかったが,内膜にtrophoblastが認められたため子宮内妊娠であると診断している.残りの3例は,掻爬物の中に絨毛組織,胎児成分,trophoblastも認められなかった.3例は病理学的に子宮外妊娠を強く疑うと診断した.3例は臨床的にも子宮外妊娠であった.病理所見としては,アリアスーステラサインを診断することは容易である.サイトケラチンの免疫染色でtrophoblastの確認をすることは容易であるが,免疫染色に時間がかかる.免疫染色に頼らず,日常のHE染色のみでtrophoblastを見つけ子宮内妊娠と早期診断することが子宮外妊娠を否定し,早期診断に結びつく.HE染色で決断するにはHCGの推移などの臨床情報も参考にし,より正確を期したい.今回,われわれは子宮内膜掻爬における組織所見と臨床経過を検討し,子宮内妊娠および子宮外妊娠の診断の過程を報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 200-200, 2009


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