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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
感染症,その他 骨盤内膿瘍を呈した劇症型溶血性連鎖球菌感染症の一例
林 忠佑, 池上 淳, 河野 恵子, 白石 眞貴, 永田 育子, 内田 雄三, 伊東 敬之, 永井 聖一郎, 寺本 勝寛
山梨県立中央病院産婦人科
【はじめに】劇症型溶血性連鎖球菌感染症はToxic shock like syndrome(TSLS)とも言われ,A群連鎖球菌による感染症であり,敗血症,ショック,DIC,腎不全,壊死性筋膜炎,ARDSなどを併発し,激烈な病態を呈する.死亡率は30%を超え,速やかな集学的治療が必要となる.今回,我々は月経を契機に発症したと思われるTSLSの1例を経験したので報告する.【症例】30歳,1経妊1経産.【既往歴】1年前にCISで円錐切除.【現病歴】当院入院2日前より月経開始,同日より39度台の発熱認め近医を受診し,感冒薬処方され帰宅するも解熱せず,入院後に抗生物質の点滴を開始したが,下腹部痛と全身の皮疹を認めたため,当院当科に紹介来院した.【来院時所見】血圧は70/40mmHg,下腹部正中に圧痛認め,Blumberg(+)【経過】側腹部から背部にかけてびまん性の紅斑を認め,同日入院した.経腟超音波でダグラス窩にエコーフリースペースあり.炎症強く,皮疹が薬疹の可能性もあり,ダグラス窩膿瘍の診断で入院同日に緊急開腹ドレナージ術を行った.術中の腹腔内の細菌培養より,A群連鎖球菌を同定したためtoxic shock like syndromeと診断した.【まとめ】上記と診断し,抗生剤投与とDICの治療を行い,速やかな治療で救命し得た.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
204-204, 2009
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