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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
不妊 体外受精・胚移植において,HMGで排卵誘発をして採卵数が1個と2個であった周期の検討
吉川 守1), 高橋 敬一1), 武藤 聡子1), 吉川 守2)
高橋ウイメンズクリニック婦人科1), 翠明会山王病院産婦人科2)
【目的】体外受精・胚移植における排卵誘発にHMG注射薬を使用(単独使用法,クロミフェンなどの内服薬との併用法,ショート法,ロング法)したにもかかわらず,採卵数が1個と2個であった周期について検討した.【対象と方法】2001年1月から2008年7月までに施行した体外受精・胚移植は1871症例4229周期だった.このうち,採卵数が1個であった188周期と2個であった267周期の反応不良周期455周期を対象とし,自然周期やクロミフェンなどの内服薬による排卵誘発周期との比較もおこなった.超音波検査で胎嚢を認めた場合に臨床的妊娠とした.【結果】排卵誘発法を比較すると,内服薬+HMG注射周期は44%と最も多かった.平均年齢は39.9歳で,42歳が最も多かった.1)HMG注射薬を使用して採卵数が1個であった周期では,胚移植は45.2%が可能で,妊娠率は8.2%だった(A).採卵数が2個であった周期では,胚移植は69.3%で可能で,妊娠率は20.5%だった(B).2)自然周期で採卵数別の,胚移植可能率と妊娠率は,1個周期で59.3%,25.0%(C),2個周期で70.8%,11.8%(D)だった.3)クロミフェンなどの内服薬で排卵誘発をした周期での採卵数別の胚移植可能率と妊娠率は,1個周期で45.7%,12.5%(E),2個周期で69.2%,8.3%(F)だった.【結論】(A)と(C)(E)間,および(B)と(D)(F)間とは採卵率,妊娠率に有意差はなく,HMG注射薬を使用しても採卵数が1個あるいは2個程度と予測される症例では,HMG注射を使用せず,クロミフェンなどの内服薬での排卵誘発や自然周期で同等の成績が得られると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
207-207, 2009
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