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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
産科のシステム化 群馬県ドクターヘリ周産期搬送について
鈴木 大輔, 曽田 雅之, 田口 千香, 塚越 規子, 大澤 稔, 山田 清彦
前橋赤十字病院産婦人科
平成21年2月18日より,群馬県ドクターヘリが運航を開始した.ドクターヘリは本来,現場救急を目的として使用されているが,群馬県では施設間(転院)搬送としても使用されているのが現状である.今回,我々は,群馬県ドクターヘリで初の母体搬送を行ったので報告する.疾患は様々なもので,搬送のタイプもそれぞれであったが,いずれの症例も搬送中に問題は発生しなかった.群馬県ドクターヘリは現場救急が7割,施設間搬送が3割程度である.地方の病院から救急車で転院搬送を行うと,1時間以上かかる場所もあり,その間,その地域の救急車が使用できなくなる,医師が不在になるなどのデメリットがある.このような事情もあり,群馬県ドクターヘリは施設間搬送にも比較的多く使用されている.ドクターヘリの場合は搬送時間がかなり短縮され,フライトDr,Nsが同乗しており医療が行え,振動が小さい.救急車で30分以上かかる場合は,救急車での長時間搬送より患者に優しいかもしれない.しかし,天候,運行時間,重複要請などで必ずしもドクターヘリが出動できるとは限らない.現場救急で患者が妊婦であった場合に受け入れ先の病院選定がうまくいくかどうかなど,まだ始まったばかりのため,今後,様々な問題が発生するかもしれない.今後,さらに症例数を重ねて検討していきたい.新生児搬送については群馬県小児医療センターがNICU車を運行しているため,ドクターヘリによる搬送が必要かどうか現在検討中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
247-247, 2009
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