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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
優秀演題賞候補(腫瘍) Monthly Cisplatin(CDDP)投与による子宮頸癌術後補助療法としての同時化学放射線療法の成績
平尾 薫丸, 藤井 多久磨, 青海 咲子, 杉山 重里, 西尾 浩, 村上 功, 大野 暁子, 岩田 卓, 塚崎 克己, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学産婦人科
【序論】子宮頸癌ガイドラインによると広汎子宮全摘出術後の再発高危険群症例に対する補助療法について「骨盤リンパ節転移陽性例に対して同時化学放射線療法(CCRT)も考慮される」と記述がある.今回我々はMonthly Cisplatin(CDDP)投与による成績を後方視的に解析したので報告する.【対象・方法】2004年から2007年まで子宮頸癌広汎子宮全摘出術後に同意を得られた25症例(扁平上皮癌22,腺癌3例)を対象とし,4週毎CDDP(70mg/m2)投与によるCCRTを施行した.骨盤リンパ節転移および進行期,再発部位を調査した.また1992年から2004年まで当院で施行された術後放射線療法単独施行82症例(RT群,全例扁平上皮癌)と無病生存期間を比較した.【成績】骨盤リンパ節転移はI期で11/19例,II期で2/6例が陽性であった.観察期間中(中央値36ヶ月)に再発は4例(肺転移2例,傍大動脈・鎖骨下リンパ節転移2例)認められた.骨盤リンパ節転移陰性例で累積無病生存率(3年)を比較すると,I期でCCRT群87.5%とRT群81.1%であり,II期ではCCRT群100%とRT群80.6%であったが,log rank testにて有意差は認められなかった.骨盤リンパ節転移陽性例では,I期でCCRT群81.8%とRT群100%,II期でCCRT群50.0%とRT群53.3%で有意差を認めなかった.【結論】今回の投与法による術後CCRTは,骨盤内再発例を認めなかったことより,局所療法としての効果が期待できる可能性が考えられた.一方,骨盤リンパ節転移陽性例で術後RTと予後に差が見られず,骨盤外に再発を認めていることから,骨盤外再発の制御を目的とした治療法の検討と成績の比較が今後必要である可能性が考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
248-248, 2009
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