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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(その他)
大量腹水を伴った子宮内膜症の一例


松本 奈央1), 鈴木 靖子1), 松本 加代1), 仲沢 経夫2), 石川 雅彦3), 榊原 秀也1), 平原 史樹1)
横浜市立大学附属病院産婦人科1), 済生会横浜市南部病院産婦人科2), 横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科3)


大量の腹水を伴う子宮内膜症はまれである.われわれは,術前に大量腹水で卵巣癌を疑い,開腹時に子宮内膜症の診断を得た1例を経験した.症例は35歳,0妊0産.原発性不妊に対し,他院でhMG+hCG療法施行.その後の3年間で月経困難症の増悪を認め,半年前より腹満感出現したため当科受診.超音波で大量の腹水を認め,腹水穿刺施行した.腹水は褐色血性で,細胞診class IIIであった.卵巣癌を疑い,精査目的で入院.血液検査では軽度貧血を認め,腫瘍マーカーはCA125 22IU/ml,CEA 0.5ng/mlと正常範囲内.MRI所見では子宮腺筋症と血性腹水を認めた.巨大卵巣腫瘍の破裂または悪性疾患の疑いで試験開腹術を施行.術中,褐色漿液性血性腹水を5500ml吸引した.子宮は結腸と強固に癒着し,ダグラス窩は完全に閉鎖,両側卵巣は観察できなかった.大網の多発小結節の他は病変は認められず,大網の迅速診の結果,子宮内膜症と診断された.R-AFS分類stage IV(98点).術後最初の月経時に上腹部痛と大量腹水の再発あり,GnRH analog(leuprolide acetate 3.75mg)療法を開始.3回目の投与より腹水は減少し症状は軽減した.以後,現在はジェノゲスト長期投与により症状の寛解を得ている.子宮内膜症による大量腹水の発生機序について最近の知見を交えて考察した.また摘出物から明らかな悪性所見が得られなかった場合のlow grade endometrioid carcinomaまたはpreneoplastic lesionとの鑑別も含めて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 252-252, 2009


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