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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(周産期)
過去30年間のperipartum hysterectomy症例の後方視的検討


尾崎 倫子, 安藤 一道, 西舘 野阿, 市瀬 茉里, 細川 あゆみ, 白田 泉, 渡邊 理子, 宮内 彰人, 石井 康夫, 杉本 充弘
日本赤十字社医療センター産婦人科


目的:妊産婦死亡数は近年減少傾向であるが,分娩後出血は依然として妊産婦死亡の上位3位を占め,今日でも止血困難のために子宮全摘出術を余儀なくされる症例もある.今回我々は過去36年間の当センターにおけるperipartum hysterectomy(PH)の発生頻度,適応の変遷を調査したので報告する.方法:1973年1月〜2008年12月の間に,当センターにて経膣分娩あるいは帝王切開術後24時間以内に産科的適応で子宮全摘出術に至ったPH症例について,年齢,分娩週数,分娩様式,PHの適応,出血量を後方視的に調査した.また36年間を6年毎に区分しPHの発生頻度および適応の経時的変遷を検討した.成績:1973-2008年間の総分娩数は86,269例,PH症例は31例認め,出生1,000あたり0.36,PH症例の分娩様式は31例中9例が経膣分娩,22例が帝切,PHの適応に関しては経膣分娩9例中6例が弛緩出血,3例が子宮破裂,帝切22例中15例が前置癒着胎盤,4例が前置胎盤,3例が弛緩出血という内訳であった.また31例の年齢,分娩週数,総出血量,経膣分娩例出血量,帝切例出血量の中央値は,各々34歳,37週,2,550ml,2,960ml,2,407mlである.出生1,000当たりのPH頻度の経時的な推移に関しては,1973-1978年が0.12,1979-1984年が0.42,1985-1990年が0.32,1991-1996年が0.42,1997-2002年が0.28,2003-2008年が0,62と,2003-2008年に増加傾向を認め,1973-84年まで上位を占めていた弛緩出血や子宮破裂が減少し,1997年以降は前置癒着胎盤が90%以上を占める結果となった.結論:当センターにおけるPH頻度は出生1,000あたり0.36と低率であったが,最近のPHの産科的適応として前置癒着胎盤が主要な原因であることが明らかとなった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 253-253, 2009


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