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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常1
胎児肝間葉性過誤腫の一例


田中 智子, 高見 美緒, 榎本 紀美子, 吉崎 敦雄, 三原 卓志, 小川 幸, 石川 浩史
神奈川県立こども医療センター産婦人科


【緒言】肝間葉性過誤腫は,多くは2歳以下の小児に(1歳までに55%,2歳までに85%が発見)発症する肝原発の良性腫瘍であり,小児の肝腫瘍の5%,肝良性腫瘍の12%を占めるとされる.嚢胞成分が主である嚢胞型,充実性成分が主である実質型,その混合型に分類され,嚢胞型では血管腫など,実質型では肝芽腫,未分化肉腫や血管腫などとの鑑別を必要とする.腫瘤の急速な増大とそれによる圧迫症状が特徴的とされる.胎児期に発症し診断されることは稀である.今回われわれは,胎児期に発見されたが確定診断には至らなかった肝間葉性過誤腫の一例を経験した.■【症例】30歳,1経妊1経産.妊娠31週に胎児腹腔内腫瘤像を指摘され,精査目的で紹介.胎児の腹腔内右側に,約7cm大の多房性嚢胞性構造の腫瘤が存在し,腫瘤内部には血流像を認める隔壁を伴っていた.妊娠34週で撮影した胎児MRI所見では腸間膜原発リンパ管腫を疑っていたが,腫瘍は増大傾向にあり,腹水も伴ってきていた.妊娠37週で正常分娩.分娩時に増大した腹部のため体幹娩出が困難であった.2960g,男児,Apgar score 5/7点.出生直後から腹部膨満による呼吸障害あり,気管内挿管後NICUへ入院となった.腹腔穿刺にて血性腹水を認め,翌日開腹手術を施行.肝間葉性過誤腫と診断され,2回の手術を経て肝右葉合併切除を行なった.術後経過は良好である.■【結語】胎児期に発見された腹腔内腫瘤の中には,出生直後に手術処置が必要となるものも存在する.とくに本症例のように胎児期に増大傾向をきたすものでは,分娩方針についても十分な検討が必要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 256-256, 2009


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