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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常2
当院で経験した異なる経過をたどったRh(D)血液型不適合妊娠の2例


五十嵐 優子, 藤野 一成, 地主 誠, 菅沼 牧知子, 戸田 美帆, 幡 亮人, 鈴木 千賀子, 三橋 直樹
順天堂大学産婦人科


 近年抗Dヒト免疫グロブリンの普及により,抗D抗体陽性妊婦は激減してきているが,時に,新生児溶血性疾患や胎児死亡なども散見される.今回我々は異なる経過をたどったRh(D)血液型不適合妊娠の2例を経験したので報告する.【症例1】32歳,2経妊1経産.既往妊娠毎に抗Dヒト免疫グロブリン投与はされていた.今回妊娠初期より近医で妊婦健診を受けており,特に異常は認めていなかったが,妊娠26週時の間接クームスが64倍のため,妊娠27週2日当院紹介受診となった.来院時抗D抗体価(AHG法:64倍,酵素法:128倍)であったため,妊娠28週1日に管理入院.週1回の血漿交換を行った.抗体価は上昇を認めず,児に胎児水腫等も認めず経過.妊娠38週4日に分娩誘発を施行し,同日正常経腟分娩にて2870g,Ap 9/10の男児を娩出した.児は軽度貧血を認めたが,交換輸血は必要とせず,光線療法のみを行った.【症例2】25歳,1経妊0経産.前回妊娠12週で人工妊娠中絶術施行時,抗Dヒト免疫グロブリン投与はされていない.今回妊娠初期より近医で妊婦健診を受けており,妊娠初期の検査では間接クームスは陽性であった.妊娠20週5日に当院紹介受診.来院時抗D抗体価(AHG法:4倍,酵素法:8倍)と低値であったため,外来経過観察をしていた.抗体価は不変のまま経過し,胎児水腫等も認めなかったが,妊娠32週2日定期健診時,胎児水腫および胎児腹水を認め,同日緊急帝王切開術を施行し,2600g,Ap 6/8の男児を娩出した.児は高度胎児水腫および高度貧血,高ビリルビン血症を認め,交換輸血と光線療法を行った.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 259-259, 2009


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