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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常2
血液型不適合妊娠の胎児貧血評価におけるpitfall


片山 素子, 谷垣 伸治, 金田 由香子, 山田 研二, 澁谷 裕美, 和地 祐一, 酒井 啓治, 橋口 和生, 岩下 光利
杏林大学医学部産婦人科


【緒言】近年,血液型不適合妊娠における胎児貧血の評価に,中大脳動脈最大血流速度(MCA-PSV)が非侵襲的方法として用いられている.今回我々はMCA-PSVが胎児貧血を示唆しなかったが,新生児に貧血を認めた2症例を経験したので報告する.【症例1】1経妊1経産.前回妊娠時の間接クームス検査は陰性.今回の妊娠初期検査にて抗E抗体128倍陽性であった.胎児水腫なく抗体価の上昇も認めなかったことから経過観察した.以後MCA-PSVは,1.5MoM未満で推移し,妊娠37週2616g Apgar score 1分値8点5分値9点の児を得た.日齢0のHb 12.2g/dl,総ビリルビン(TB)3.3mg/dl,日齢10にはHb 7.7g/dlまで低下した.【症例2】0経妊0経産.妊娠初期に抗E抗体32倍陽性,妊娠36週に抗体価が128倍に上昇したことから入院管理とした.入院中MCA-PSVの上昇なく,羊水中のΔOD450は0.01未満であった.妊娠38週3日2883g Apgar score 1分値8点5分値8点の児を得た.日齢0のHb 11.2g/dl,TB 5.4mg/dl,日齢10ではHbは6.0g/dlであった.体重増加不良と頻脈を呈したことから輸血療法を必要とした.【結論】血液型不適合妊娠におけるMCA-PSVの評価は,羊水ΔOD450による予測と同等かそれ以上の感度・特異度を持つとされ,非侵襲的であることを考えると有用性は高い.しかし,サンプルボリュームの位置や計測角度などにより胎児貧血を反映しない可能性があるため,MCA-PSVによる胎児貧血の評価・児娩出の時期に関しては慎重に判断する必要がある


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 260-260, 2009


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