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<< 学会誌へ戻る 【はじめに】胎児臍帯の絞扼は，まれに見られる重篤な疾患であり，IUFDの原因となる．臍帯過捻転に合併することが多いと報告されるが，我々の知る限りにおいて臍帯低捻転に合併した報告はない．今回我々は，臍帯低捻転に伴う臍輪部の臍帯絞扼により血流低下・途絶をきたし，IUFDに至ったと考えられる症例を経験したので文献的考察を加え報告する．■【症例】30歳2経妊1経産婦．自然妊娠し，前医で管理されていた．31週3日，胎動減少を自覚し，前医にてNST施行したところ，突然胎児心拍数60/分台の遷延一過性性除脈及び変動一過性徐脈が認められ，常位胎盤早期剥離疑いとして当院母体搬送となった．当院到着時，腹部エコーにて胎児心拍を認めず，IUFDと診断された．疼痛なく，腹部は軟で，超音波検査にて胎盤に異常を認めず，血液検査所見においても血液凝固異常等認めず，常位胎盤早期剥離は否定的であった．IUFDを適応に分娩誘発の方針とし，翌日児娩出に至った．児は1510gの男児で外表奇形は認めなかった．umbilical coiling index（UCI）0.052と臍帯低捻転を認め，また臍輪部で臍帯が2回半捻れて絞扼し，その胎盤側は浮腫状であった．胎盤に常位胎盤早期剥離を疑う所見は認められなかった．■【まとめ】今回我々は急な転帰をたどりIUFDに至った，臍帯低捻転に伴う臍輪部の臍帯絞扼の症例を経験した．臍帯捻転異常は臍帯絞扼を含めIUFDのハイリスクとなるため，臍帯捻転異常と診断された場合，関連が示唆されているIUFD，NRFS，IUGRなどのリスクについてインフォームド・コンセントを行い，慎重に管理していくことが必要と考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 263-263, 2009 |
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