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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常4
胎児動脈管早期収縮症の一例


小笠原 英理子1), 小室 真祐子2), 須波 玲1), 奥田 靖彦2), 平田 修司1)
山梨大学産婦人科1), 山梨大学地域周産期等医療学講座2)


胎児期には,右室から駆出された血液の約90%は動脈管を通じて体循環へとバイパスされており,動脈管は胎児循環の維持において重要な役割を果たしている.胎児動脈管早期収縮症(Premature constriction of ductus atreriosus;PCDA)では,右室の後負荷が急激に上昇するために右心不全をきたし,胎児水腫や子宮内胎児死亡の原因となる.また,胎児期の肺血流量増加は新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)の原因となると考えられている.PCDAの原因として,母体へのインドメサシンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害薬の投与が知られているが,近年これらの薬剤とは無関係の特発性のPCDAの症例報告が散見されており,児の予後改善には早期発見,診断が肝要である.今回我々は妊娠38週に初めて心拡大を指摘され,分娩後に本症と診断が確定した症例を経験したので報告する.症例は31歳,2経妊1経産,38週より心拡大を認め,Ebstein奇形疑いにて39週に紹介となった.胎児エコーで三尖弁の付着部に異常はなく,右房の拡張と右室壁の著明な肥厚,三尖弁逆流を認めた.心拡大と心嚢液貯留より心不全と判断し,40週に分娩誘発を行なった.経腟分娩にて,3358g,Apgar score 1分値8点,10分値9点の男児を娩出した.出生直後の超音波検査で動脈管の血流が認められず,他に右心不全をきたす構造異常を認めないことから,PCDAと診断された.母体にシクロオキシゲナーゼ等の投与歴はなかった.児は,SpO2が低値のため酸素投与を行なったが,PPHNへの進展はなく,生後30日で退院となった.四腔断面像で心拡大,右室壁肥厚,三尖弁逆流を認めた場合にはPCDAの可能性も疑い,動脈管に注目することが重要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 264-264, 2009


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