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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
早産
巨大絨毛膜下血腫の一例


山本 瑠伊, 土橋 麻美子, 北西 あすか, 佐藤 陽一, 田中 邦治, 上田 和, 斎藤 元章, 小林 重光, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科


絨毛膜下血腫は,妊娠初期から中期にかけてしばしば遭遇する妊娠合併症である.通常は自然退縮するが,血腫が消退しない場合や巨大絨毛膜下血腫となった場合は,胎盤機能不全,流早産などの確率が高まることが指摘されている.しかし,その管理方法や治療については定言がない.今回我々は,巨大絨毛膜下血腫の一例を経験したので報告する.■症例は,26才0経妊0経産.他院にて経過観察されていた患者である.妊娠13週4日,切迫流産,及び,絨毛膜下血腫の増大を主訴に当院へ紹介受診となった.来院時臨床所見:軽度の下腹部痛のみで性器出血は認めなかった.来院時内診:子宮口閉鎖.来院時経腟超音波所見:頚管長は36.6mmと保たれていた.胎嚢の全周に約7cm大の絨毛膜下血腫を認めた.絨毛は内子宮口と対側に付着していた.絨毛と血腫の境界は不明瞭であった.胎児心拍は正常で,発育や羊水深度は共に異常を認めなかった.入院管理とし,安静と子宮収縮抑制剤(塩酸イソクスプリン)点滴投与にて経過観察したが,血腫は増大傾向を示し,自然消退傾向は認めなかった.妊娠16週2日,腹部MRI施行し,胎嚢の約半分に相当する巨大絨毛膜下血腫を認めた.■今回われわれは上記のような症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 269-269, 2009


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