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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
妊娠分娩合併症2
妊娠初期にHyperreactio Luteinalisと診断し帝王切開にて分娩に至った一例


中尾 仁彦1), 阿部 崇1), 神戸 沙織1), 山本 晃人1), 川瀬 里衣子2), 黒瀬 圭輔1), 福田 悠2), 澤 倫太郎1), 明楽 重夫1), 竹下 俊行1)
日本医科大学産科1), 日本医科大学病理2)


Hyperreactio luteinalis(以下HL)は,絨毛性疾患や妊娠症例等で両側卵巣が多房性に,卵巣過剰刺激症候群様の著明な卵巣腫大を呈する非常にまれな良性疾患である.今回我々は,妊娠初期にHLと診断し,経過観察を行い帝王切開術にて分娩に至った症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は27才,未経妊未経産.前医より妊娠12週の両側卵巣腫瘍合併妊娠にて当院紹介となった.超音波所見上,両側卵巣はOHSS様に著名な腫大を認め,MRI上も13cm大のスムーズな隔壁を伴う多房性漿液性卵巣嚢腫を認めた.今回の妊娠は自然妊娠であり,排卵誘発剤は使用しておらず,妊娠前に卵巣腫瘍は指摘されていなかった.また,腫瘍マーカーの上昇は認めていなかったが,テストステロンが高値を示していた.以上の臨床経過,画像所見からHLと診断し,卵巣茎念転のリスクを話した上で経過観察とした.妊娠は順調に経過したが腫大卵巣による産道障害のため妊娠38週に帝王切開術にて分娩となった.術中所見として,両側卵巣は多房性かつ表面平滑であり著明な腫大を認めた.両側卵巣を楔状切除したところ,淡黄色漿液性内容を認めるのみで,充実成分はなかった.病理組織診においても多数の黄体化卵胞を認めHLとして矛盾しなかった.術後経過観察中であるが卵巣は縮小傾向である.本症例において我々は,臨床経過,画像所見,テストステロン高値より妊娠初期にHLと診断することにより,卵巣を温存し妊娠管理を行うことができた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 273-273, 2009


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