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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
子宮頸部腫瘍1 治療後のフォロー中に閉塞性黄疸をきたした子宮頚部腺癌の一例
平岩 由紀子1), 松永 竜也1), 小平 博1), 今井 一夫2)
横須賀市立市民病院産婦人科1), 今井ウイメンズクリニック産婦人科2)
【緒言】PET-CT検査は,従来の画像検査では診断が困難なリンパ節転移や播種などの診断に優れていることは周知の通りで,婦人科悪性腫瘍の治療や再発診断において広く利用されている.しかし,PET-CT検査により再発が完全に否定できるかどうかは,未だ議論の余地があるものと思われる.今回,子宮頸部腺癌の治療後に再発を疑い施行したPET-CT検査が陰性であったものの,閉塞性黄疸を機に転移再発が診断された症例を経験したため,報告する.【症例】45歳の未産婦.卵巣嚢腫のために43歳の時に左付属器切除と右卵巣嚢腫摘出術を受けた.卵巣嚢腫再発が見られ,単純子宮全摘および右付属器切除術を実施したところ,術後病理組織診断により子宮頸部腺癌2b期と診断された.術後補助療法として放射線化学療法を行い,外来にて経過観察していた.腫瘍マーカーが緩やかに上昇するも,CTでは異常を認めなかった.腟断端細胞診class3を認め,同部位の生検を施行したが悪性の所見を認めなかった.その後も腫瘍マーカーが高値であったためPET-CT検査を行ったが,再発の所見は認めなかった.PET-CTの1ヶ月後に閉塞性黄疸を認め他院にて精査の結果,転移再発が診断された.【考察】PET-CT検査は,画像所見を伴わない腫瘍マーカー上昇例に対し,再発の診断や部位の特定に優れている.しかし,PET-CT検査が陰性の腫瘍マーカー上昇例について,どう判断するかは熟慮が必要と考えさせられた症例であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
275-275, 2009
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