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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠
経口避妊薬内服中に生じた子宮外妊娠の1例


吉岡 伸人1), 森川 香子1), 村山 季美枝1), 横道 憲幸1), 名古 崇史1), 西ヶ谷 順子1), 笹生 麻紀1), 飯田 智博1), 斉藤 寿一郎1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学西部病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学病院産婦人科2)


最近,経口避妊薬・低用量ピル(OC)は女性主導の避妊方法として本邦でも広く認知されている.子宮内膜症,月経困難症,月経不順,月経前緊張症などの治療薬としても使用され,女性のminor troubleを改善する副効用を併せ持つ.理想的な服用の場合,妊娠する確立は0.1%以下とされており最も避妊効果の高い方法である.しかし,現状では飲み忘れなどの服用実態に起因する妊娠例がしばしば散見される.今回,我々は避妊を目的にOCを服用していたにも関わらず,子宮外妊娠のため緊急手術を行った症例を経験した.患者は,29歳,2経妊0経産.OCを服用していたものの,服用時刻が一定でなかった.性交後の腹痛を主訴に前医を受診して,腹腔内出血疑いのため当院に搬送となった.来院時,尿妊娠反応陽性,超音波検査で子宮腔内に胎嚢認めず,骨盤腔から上腹部に至るecho free spaceを認め,子宮外妊娠による腹腔内出血を疑い緊急腹腔鏡下手術を行った.手術所見は,左卵管峡部破裂と約1,200mlの腹腔内出血であった.左卵管切除と腹腔内洗浄を施行,術後経過良好であったため第4病日に退院した.病理組織診断では左卵管峡部の子宮外妊娠であった.OCは視床下部や脳下垂体に作用して性腺刺激ホルモンの分泌を抑え卵巣の排卵を抑制する.また,子宮内膜の増殖を抑制,子宮頚管粘液の性状を変化させるという作用もあり健康保険適応のOCも発売され更なる普及が予想される.ほぼ100%の避妊効果があるものの,服用方法を遵守しなければ効果は充分ではなく,妊娠の診断を見逃したり,危険な状態を招く可能性があり注意が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 281-281, 2009


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