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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
MTXによる治療
MTX投与が有用であった癒着胎盤の1症例


鈴木 達彦, 浜田 佳伸, 瀧下 智恵, 東 昭宏, 山本 篤, 林 雅綾, 飯塚 真, 安藤 昌守, 榎本 英夫, 坂本 秀一, 林 雅敏
獨協医科大学越谷病院産婦人科


【緒言】流産後,胎盤が娩出せず,MRI,超音波断層法の所見で癒着胎盤を疑い,メトトレキセート(MTX)投与による保存的治療を行って子宮温存しえた症例を経験したので報告する.【症例】30歳.妊娠,分娩歴:1経妊1経産(帝王切開1回).既往歴:特記すべきことなし.現病歴:近医にて妊娠17週で流産となるも胎盤娩出を認めなかった.メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,抗生剤投与にて経過観察されたが,胎盤娩出せず,流産後25日目に当科を紹介受診した.経膣超音波断層法で子宮内に高輝度の構造を認め,color dopplerではこの部分と子宮筋層に血流を認めた.下腹部MRIでは子宮腔内にT2強調像で不均一な低信号を示す構造物を認め,子宮筋層と境界不明瞭な部分を認めた.血清β−hCGは135 IU/lであった.癒着胎盤と考え,画像上,筋層浸潤が著明でないことより,MTX投与による保存的治療の方針とした.インフォームド・コンセントを得て,流産後34日目にMTX50mg/m2/週を全身投与した.投与11日に血清β−hCGは9.4IU/lに減少し,同日6×4cmの胎盤組織の排出を認めた.投与18日の血清β−hCGは4.6IU/lに減少した.投与40日,再度胎盤組織の排出を認め,血清β−hCGは0.1IU/lであり,子宮内に胎盤様構造は認めなくなった.投与64日目に月経が再開した.【考察】癒着胎盤は出血のコントロールなどが困難で子宮摘出を余儀なくされることも多い.本症例はMTXが著効し,子宮を温存しえた症例と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 282-282, 2009


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