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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
中高年女性の医療
TVM術後の血腫


松本 譲二1), 岡垣 竜吾2), 伊藤 百合子2), 高橋 通3), 永田 一郎2)
小川赤十字病院産婦人科1), 埼玉医科大学産婦人科2), 熊谷総合病院産婦人科3)


最近,骨盤臓器脱(POP)の修復手術にTVM(Tension-free Vaginal Mesh)が行われるようになり,その問題点の一つとして術後の血腫を指摘する報告もある.今回私達はTVM術後に血腫を呈した3例を経験したので報告する.■症例1 65才主婦.POPのため腟式子宮全摘出(VH),TVMを施行,術中の出血量は少量,術後3日目のHbは術前の13.6g/dlより7.7に低下,新たに腹圧性尿失禁が出現するも,術後9日で退院する.退院3日後性器出血のため来院,CTで血腫と右水腎症を認める.逆向性に尿管カテーテル挿入できず,腎瘻造設する.2ヶ月後,尿管の自然開通を認め,カテーテル抜去,さらに1ヶ月後,CTにて血腫消失,水腎症の著名な改善を認める.IVPで正常な尿路を確認してTVT施行,尿失禁は著しい改善をみた.症例2 73才主婦.術前のIVPでPOPが原因と考えられる水腎症があった.TVMを施行,術中出血量30ml,術後3日後のHbは術前の12.1より5.6まで低下,MAP 3単位を使用する.MRIで血腫形成を認めたが,IVPで水腎症の消失をみた.血腫は次第に縮小し,現在経過観察中である.症例3 76才主婦.術前1時間pad test 144gと高度の尿失禁があった.VHとTVMを施行,術中の出血量は20ml,術後3日目のHbは術前の12.5より6.6に低下,大腿に広汎な皮下出血があり,CTにて血腫を認めた.退院時のpad testは1gであった.■以上3例とも術中の出血量は軽微であり,術中の経過のみでは,術後の血腫は予測できないと考えられ,今後の対策が必要であろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 285-285, 2009


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