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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
良性卵巣腫瘍
外陰部に発生した乳頭状汗腺腫(hydradenoma paplliferum)の1例


河原 且実, 村岡 光恵, 井出 早苗, 長野 浩明, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


外陰部乳頭状汗腺腫(hydradenoma papilliferum:HA)はアポクリン腺由来の腫瘍で,多様な組織像を示すため腺癌との鑑別が重要であるとされているが,本邦における報告例は少なく,医学中央雑誌における1983年以降の報告例は19例に過ぎない.今回,我々は小陰唇に発生したHAを経験した.【症例】42歳,G2P2.30歳で卵巣嚢腫摘出術施行,33歳よりBasedow病加療中である.8か月前より左小陰唇に小腫瘤を認めていたが疼痛も掻痒感もないため放置していた.1か月前より次第に腫瘤の増大傾向を認め,接触出血が出現したため,当科を紹介受診.初診時,左小陰唇前方に周囲組織との境界明瞭な,小指頭大,ポリープ状で表面に糜爛を伴う腫瘍を認めた.同部の擦過細胞診はN/C比の高い,小型の扁平上皮系細胞に核の大小不同を認めた.バイオプシーによる組織診では腫瘍は腺管状嚢胞状構造を示し,嚢胞内に乳頭状に上皮が増殖し嚢胞・腺腔側の上皮は円柱上皮で断頭分泌を示しアポクリン上皮に分化していたことからHAと診断された.内診・超音波検査には異常なく,炎症所見やリンパ節腫大も認めなかった.細胞診並びに文献的に悪性も否定できないため,局所麻酔下に腫瘤を摘出した.病理診断は良性のHAであった.術後,現在まで再発は認めていない.【結論】HAはアポクリン腺由来の良性皮膚腫瘍で,大陰唇>小陰唇>会陰部>肛門周囲の順に多いといわれる.HAは腺癌成分を含む場合があるため,腫瘍の摘出を行い,組織学的な検討を行うことが肝要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 288-288, 2009


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