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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
子宮体部腫瘍2
アロマターゼ阻害剤投与が奏効した4期子宮癌肉腫の1例


宮西 香里, 平敷 好一郎, 加藤 喜一, 楯 真一, 碓井 宏和, 三橋 暁, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科


4期の子宮癌肉腫は,予後不良で治療に苦慮することが多い.今回われわれは,血中エストラジオール(E2)高値を示した4期子宮癌肉腫患者で,アロマターゼ阻害剤(AI)投与により全身状態の改善を認めた1例を経験したので報告する.【症例】患者は61歳.50歳で閉経.1ヶ月前から腹部腫瘤・食欲不振・20kgの体重減少を自覚するようになり近医を受診した.画像検査で臍上5横指に及ぶ子宮腫瘍と鎖骨上リンパ節腫大(5cm)を指摘され,子宮肉腫疑いで当院に紹介された.E2(60pg/ml)は年齢に比し高値,LH(0.18mIU/ml)とFSH(2.28mIU/ml)は抑制されており,ホルモン産生腫瘍を疑った.針生検により子宮肉腫と診断された.全身状態不良(PS4)であったため化学療法は困難で,アロマターゼ阻害剤(AI)を開始した.AI投与8日目に,E2は10pg/mlと低下し,全身状態も改善(PS 0)した.化学療法可能と判断し,TC療法を開始した.TC6コース施行後に腫瘍は手拳大に縮小し,単純子宮全摘および傍大動脈リンパ節を含む腹膜リンパ節廓清を行った.摘出標本で,子宮癌肉腫と診断された.【考察】正常子宮筋はエストロゲンレセプター陽性・アロマターゼ陽性である.子宮内膜癌や子宮肉腫にも陽性例があり抗エストロゲン療法が奏効することがある.今回,E2高値の癌肉腫でもAIが奏功する可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 293-293, 2009


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